こんにちは、プロスポーツトレーナーのみのっちです。
今回は「ストレッチと怪我の関係」について解説いたします。
スポーツをしてるグランドやトレーニングジムでも、ストレッチをしてる風景は一度は見たことがあるかと思います。しかし、体を動かしたり鍛えたりするのは好きでも、ストレッチは嫌い。という人は多く、実際に体が硬い人も多いのが現状です。
ここで疑問に思うのが、「ストレッチって、そんな大事なん?」ですよね。
本記事では、このような疑問を解決していきます。
もちろん!それについて勉強していこう!
体が硬いと怪我をしやすくなる?
結論、怪我をしやすいです。怪我をしやすい理由は2つ「関節可動域の低下」と「筋肉の柔軟性の低下」です。この2つについて解説していきましょう。
関節可動域の低下
そもそも、可動域ってなんなん?聞いたことないわ。
では、まず可動域について説明しましょう。
関節可動域について
以下、可動域についての定義を引用しております。
各関節が運動を行う際の生理的な運動範囲。 身体の各関節が、傷害などが起きないで生理的に運動することができる範囲(角度)のことを示します。
「引用:e-ヘルスネット(厚生労働省)
んー...。ちょっと日本語が難しくてわからないですよね。笑
簡単に言うと、関節の動く範囲(可動範囲)のことです。
例えば、腕をバンザイしたとき、どこまで腕が上がるかは肩の可動域をみています。
肘を曲げたときに、どこまで肘が曲がるのかは肘の可動域をみています。
そして、各関節の参考角度より大きく動かることを可動域が大きい(広い)と言われます。
逆に、参考角度より小さいことを可動域が小さい(狭い)と言われます。
詳しい参考可動域の確認はこちらへ。
関節可動域の低下によるスポーツまたは日常生活や仕事での影響【シーン別】
体が硬い(可動域が小さい)ことによる、スポーツでの影響シーン。
- 野球で投げる時に、肩の回りが悪い
- テニスのサーブやバレーのスパイクの時、肩が上がらない
- サッカーでボールを取りに行く時、足が大きく前に出ない
- 陸上短距離で、ストライド(歩幅)が狭くなる
- 水泳の平泳ぎの時、肩が回らない ...など。
続いて、日常生活や仕事での影響シーン
- 肩が上がらず、高いとこに置いてるものが取れない
- 下半身が硬くてうまくしゃがめず、腰だけ曲げて物を取ったり、作業してしまう
- 猫背姿勢でデスクワークを長時間して、背中が固まって腰が痛くなる
- すぐに脚などがつりやすくなる ...など。
体が硬くなる(可動域が狭くなる)ことによって、代わりに他の関節が頑張って動いちゃう(代償動作)ので、代わりの関節に負担が集中して痛みに変わってしまうんです。
例えば、高いものを取りたいが腕が上がらない(肩が硬い)ので、腰を反って無理やり腕を上げてたら腰が痛くなった。とか
つまり、可動域が狭くなると、他の関節にも悪影響なんだよね。
筋肉の柔軟性の低下について
筋肉の柔軟性とはどういうこと?触ってみて柔らかいかどうかってこと?さっきの関節が硬いのと何が違うの?...と、たくさんの疑問の声が聞こえてきます。
では、こちらを解説していきます。
筋肉の柔軟性とは【関節可動域との違い】
筋肉の柔軟性とは、その名の通り「筋肉が柔らかいかどうか」です。
一方、関節可動域は「関節が硬いかどうか」です
筋肉が柔らかいかどうかは、直接触ることが一番信頼性があり、簡単で分かりやすいです。
疲れてる時とか筋肉痛の時に筋肉触ったことありませんか?
その時「張ってるなぁ」とか「パンパンやなぁ」と感じたことありませんか?
まさにそれのことです。
でも、筋肉がある人は触ったらカチカチなもんじゃないの?と思いますよね。
実はその想像は違うんです。
一流のスポーツ選手の筋肉は、"発達しているが触ると柔らかい"んです。
ただ、筋肉の硬さが原因で関節の可動域が小さくなる場合もあるため、全く関係ないわけではありません。
筋肉の柔軟性低下によるスポーツまたは日常生活や仕事での影響【シーン別】
筋肉の柔軟性低下によるスポーツでの影響シーン
- サッカーでボールを取ろうと足を伸ばしたら、太ももの裏が痛くなった
- 胸の筋肉を鍛えてパンパンになり、野球での投球で腕が回しにくくなった
- 陸上のハードル競技で、飛び越える時に足を上げたら太ももの裏が痛くなった
続いて、日常生活や仕事での影響シーン
- 長時間のデスクワークで腰が硬くなり、動くと腰が痛くなった
- パソコン作業など、指や手首を主に使っていたら、指や肘が痛くなった
- 重いものをよく持っていたら、肩こりになった
- 立ち仕事をしていたら、ふくらはぎが痛くなった
これらは全て、筋肉の硬さや疲れによる影響が主な原因と考えられます。
肩こりでも、「マッサージしたらマシになる」って方は多いですよね。
硬くなっているから、筋肉や体は「疲れてるよ~ほぐして~」と言っているんです。
人の体は全員違うので、肩こりでも全員が筋肉の硬さが原因というわけではありません。
あくまで傾向ですので、実際に専門家にみていただかないと、その人の本当の原因は分かりません。
体が柔らかいと怪我をしにくいのか?
じゃあ体が柔らかい人は怪我しにくいってことですよね?
実はそういうわけでもなく、メリットとデメリットがあるんだ。
体が柔らかいことによるメリットとデメリット
基本的には体は柔らかい方がいいですが、体が柔らかい選手は絶対怪我をしないのか?
それも勘違いです。そうだとすれば、バレリーナ・器械体操・フィギュアスケートの選手はほぼみんな怪我をしないことになります。
でも、実際は練習をしているとどこかしらに痛みを生じることがあります。
以下に、体が柔らかいことによるメリット・デメリットをまとめました。
1.体を大きく動かせる
2.パフォーマンスアップにつながる
3.トレーニング効果が高くなる
4.怪我の予防につながる
1.体をコントロールしにくい
2.通常より多くの筋力を必要とする
3.怪我をしやすい
イメージとしては、体が柔らかい分大きく動いてしまうので、その大きく動く体を「制御」しなければなりません。
例えば、足首が柔らかくて片脚で立ってもグラグラしてバランスが取れない。
→グラグラする足首を「制御」しなければいけない。
肩に関しても、柔らかい人は脱臼しやすいので、「制御」しなければいけない。
この「制御」ができないと怪我につながるので、体が柔らかい人も怪我をしやすいことになります。
細かく言うと、「体が柔らかい」と「関節が緩い」は別の表現になります。
今回はまとめて同じ表現として説明してます。
体が柔らかい人が怪我を防ぐにはどうしたらいいのか?
前述のとおり、柔らかい人はグラグラしやすいので「制御」できることが大事です。
では、どうすれば「制御」できるようになるのか?
それは、筋力トレーニングをして、筋力アップすることです。
グラグラする体を支えるのは筋肉の役割です。そのため、体が柔らかい人は、体が硬い人よりも筋力を増さなければなりません。
なぜなら、グラグラしやすいからです。
グラグラが減り、体を制御できるようになれば、怪我のリスクも下がることでしょう。
なるほど!じゃあ体が柔らかいから安心ってことではないんだね。
さいごに
結論として、体が硬くなるとやはり怪我をしやすくなります。しかし、体が柔らかいからといって絶対怪我をしないわけではありません。柔らかすぎるのも怪我の原因になるからです。そして、体が硬いからストレッチをしっかりしてるけど、全然柔らかくならない…。そんな人もたくさんいます。
実は単にストレッチを行ってても効果は出にくいのです。そんな方は、「ストレッチで効果を高める7つのポイント」を参考にしてみてください。みなさんがよくやりがちな間違いや、効果的な方法論を解説しています。体のケアもしっかり行い、怪我をしにくい体を手に入れましょう。
以上、みのっちでした。
ストレッチしたら、怪我しにくくなるん?